《連載コラム》評価の心得④成果達成度「ウチ」の研修の頼み方【20】

 さて、研修の成果とは何だったのでしょうか?

 この研修を実施することで得たものは、実施を企画したあなた(経営幹部)の願っていた
ものになっていたのでしょうか?

 前回の内容で散々触れたこと。ここでも取り上げます。しつこいようですが、やっぱり
こだわってほしいのは、苦労しながらも実現したこの研修がやった甲斐があったかどうか。
もちろん、やった甲斐があったという結末にしてほしいのです。

 成果達成度というものを測る前に、実施を企画する側として、この研修を実施したあと、
受講者社員がどうなっていたら嬉しいと思えるのか。ココを明確にしておくことです。
言い換えれば、研修実施の成功・失敗を判定するために「基準」だとか「指標」のような
ものです。
 これが不明確だと、「あの研修はやる必要があったのかね?」という研修反対派の声に
揺さぶられてしまいます。
たとえば、「まったく自分の意見を言わなかったウチの主任連中が意見を言うようになった!」
ということであったとしても、これまでサイレントだったその方々が言葉を発するようになった
としたら、そりゃ大進歩ですよ。研修というきっかけがなかったら、それは叶わなかったのです
からね。
 これは当社にとって、燦然と輝く研修の価値だと明言することができますね。

 思い切って、願望の部分を大きく含めてでもOKですので、「こうなったらいいなぁ」と
言葉にして表してみてください。ありたい姿の明示です。

 こうして言葉にされたありたい姿レベルと現状のレベル差をとらえることで、問題の所在が
明らかになります。現状の姿がありたい姿と同じなら、現状維持でいいのですからね。
 そうじゃないから、よりよくしたい。そこで、研修を企画して、実施する~と、こういう
ストーリーでした。

 もう一度、別の言葉で言います。良い研修だったけど、当社のありたい姿通りではないと
いうことでしたら、それは100点満点の100点ではないのですから、足らざるところは何んで
あるのかを明確にして、貪欲に、満点に近づけていくことを考えることが社員研修を取り入れながら、
自社の成長を進める経営スタンスとなります。

どうか、よりよい会社づくりのために、よりよい研修を実施していってください。

ここまで長らくお読みいただきありがとうございました。
今回のシリーズ連載はこれにて一区切り。
読者の皆さん方の会社の益々のご多幸とご発展をお祈りしております。

さて、ここで番宣ですが(笑)、この連載の内容を私がしゃべっている
YouTubeチャンネルをやっております。

文章を読むのもいいけど、カドワキのべしゃりも聞いてみたいなという奇特な方は是非
ご覧くださいませ。

そして、ご縁がありましたら、リアルでもオンラインでも、どこかの会場でお会いできれば
うれしく思います。

ではでは、ごきげんよう。
さようなら。