《連載コラム》評価の心得①研修満足度「ウチ」の研修の頼み方【17】

 ここからは研修の評価のお話です。
 
 何を持って、研修を実施した価値を測るか。そこを正確に精度を高くして、把握できていないと、
何となく良かった或いは悪かったというだけの雰囲気だけの評価となってしまいます。こういうのが、
のちのちの判断を狂わせていくものです。

  評価のKeyは、受講者に行動変容を起こせたか。または、起こせるための種を植えることが
できたのかどうか。

 まずは受講してよかったと受講者の面々に感じてもらえたのか。
 ここを押さえてほしいのです。

 よくやってしまいがちなのが、評価項目に4段階から5段階の表示を示して、受講者の方々に
記入させるスタイル。私の言い方では受講者審査員型です。安易に審査させることはおススメ
しません。

 講師が知りたいのは、この研修が今の仕事、今後の仕事に役に立ったのかどうか。

ご親切に、研修後に講師自身の教え方からはじまり、声のトーン、話ススピード、説明の分かり
易さ等々の結果をフィードバックしてくださる会社さんがあります。次の登壇が決まっているの
なら、今後をよりよくするために拝読しますが、そうでもないのなら、こちらが吐き気をもよおす
程の細かさで講師を評価する精密アンケート型はどうもいけません。

ハッキリ言って、必要ありません。

極論かまします!

・講師の教え方はとてもいいが、今後の仕事には役に立たない
 よりは、
・講師の教え方はひどいけど、今後の仕事には役に立つ
 のほうが、実利的には上なのです。
もっとも、受講者が抱いたであろう不快感はケアしてあげないといけませんが。

 ここで言う研修満足度とは、受講者個々の満足を無視するものではありませんが、研修を実施
した会社として満足したのかということを示しています。
 やった甲斐があったのかどうか。我が社の経営を前進させるのか否か。今後の成長に寄与できる
ものなのか、遠慮なく確認と検証をしていただきたいところです。

 こういうプロセスが明日をよりよくしていきます。
 
 ここからは余談。
 今回お話したような、こういう真面目路線もありますが、ウチの研修は「福利厚生の一環」という
考えの会社さんもありました。役に立つ要素を少し入れてもらって、集めた受講者をリフレッシュ
させてくれればいい!こういう目的の研修も世の中にはあります。会場はきれいで、飯はうまく、
温泉付いて、懇親会は飲み放題。いやぁ、楽しかったなぁ~。
こういうのもありといえばありです。

目的と受講後の状態が明確ですからね。ただし、この研修が受講者のこの場限りの不満のガス抜きで
終わってしまっていると、その後の年月の中のどこかでツケが回って来てしまいます。何時まで経って
もよくならない会社は魅力を失ってきますからね。

 今回はここまで。ではまた。
 つづく