《連載コラム》受講前・受講後「ウチ」の研修の頼み方【6】

「使用前・使用後」という言い方があります。これ、「受講前・受講後」と言い換えると、
研修にも当てはまります。前よりも後の方が良くなっていないと、実施した甲斐がありません。
良くなっていないと、どうなるか?

 早い話が受講者からのクレームとそういう研修を実施してしまったという後悔が
襲って来ます(泣)。
 こうして、無駄な金と時間を遣ってしまいましたとさ…トホホというわけにはいきませんわね。

 いやはや、乾坤一擲、会社と社員を良くするために研修実施に踏み切った経営幹部としては、
このような結末はやり切れません。

 研修を受講してもらって、どういう状態の人に、どうなってほしいのか?

これを明確にして、実施せねばなりません。研修はそうなるための具体的な手段です。
どうなってほしいか。要は受講後の仕上がりの状態です。これについては、具体的な
イメージがないといけません。

このことが、「研修のねらい」というものをハッキリしておくことにつながります。

 漠然としたねらいの研修は、漠然と終わります。実施するだけで終わります。
 たとえば、新入社員研修を実施するとしても、

  ・社会人としての心構えとマナーの基礎を学ぶ
   といった表現より、
  ・社会人としての意識と行動へ切り替えて、相手にきちんと反応を返せるようになる

 これぐらいの表現のほうが分かり易いでしょ。
 この施主さん(クライアントさん)は、とにかく反応できる社員にしてほしいとの思いが
 明確でした。
 施主さんは、遠慮なく、経営幹部として社員個々の夫々の役割、責務に求めるものを
 リクエストすればよいのです。

 先程の例では、経営幹部の方が、事前打ち合わせの際に発したひと言。
 「結局は、きちんと反応できるかということなんですわ」との魂のひと言で、このコンセプトが
 固まりました。

 発注側でもある施主さんは、とにかく自分の言葉で思いを語るということを大切にしてください。
言葉を発してもらえると、受注側のプロ講師は、その意図していることは何かということを必死に
汲み取っていこうとします。

 さてさて、グダグダといろいろと申しておりますが、

 で、結局、どうなりたいか?

 研修をするのはこれを明確にしておくこと。
なんだかんだ御託を山ほど並べようと、これがハッキリしていない研修は絶対に視界がぼやけて来ます。
 そんなのやらんほうがましですわ。

 つづく