《連続コラム》置き換え学習力「ウチ」の研修の頼み方【5】

 外部へ社員を派遣しての教育効果が上がるかどうか。そのカギを握るのは、
「置き換え学習力」です。

わたしゃ、これまでの講師経験から、断言しちゃいます。その社員が育つかどうかは、
この力があるかどうかに懸かっています。ホントです!これがなかったら、いくら
高い受講料を払ったとしても、受講後に、社員さんに次の言葉を発せられたら終わりです。

 「いやぁ、勉強になりました!」

 こういう奴は、研修から帰って来ても、何も変わりゃしないですわ。ただ単に、
知識を加えただけ。

 得た知識を、自分の職場での役割にあてはめて、どのように仕事を
進めていくかのデザイン(⇒これが「置き換え」です!)

ができていません。

得た知識を生かすどころか、「(習ったことは)うちの会社とは関係ないな」の
勝手な解釈で封殺してしまいます。当社にとっては、進歩ゼロ。時間とお金の
浪費でしか過ぎません。もったいないことこの上なし!

 置き換え学習力の高い優秀受講生は、講師に質問に来ます。
 「センセイ、うちの職場でかくかくしかじかのような人がいて、なんたらかんたら
なんですが、この場合は、○○○のように行動してもよいのでしょうか?」このような
問いを次々と投げ掛けて来ます。

 即ち、習った事柄を自分の職場において、実務でどのように使っていくのかの
デザインを始めているのです。質問に来なくても、終了後のレポートを読ませて
もらうと、必ず、学んだことを今後の仕事の中でどの様に生かしていくかを言葉に
しています。

 アホは単なる表面的な知識の羅列だけ。かしこは、自らの今後の行動をどのように
モデルチェンジしていくまでをちゃんと記しています。
 
 アホ、いやもとい、置き換え学習力のない人に、高い金を掛けて、時間を無駄遣い
させるぐらいなら、通常業務をしてもらっていた方がましというものです。

 あっ、それだと進歩がないから教育が必要という話でした。
誰でも最初からできる訳はない。できない人をできるようにするのが教育というもの。
めげずに、進めるしかありません。がんばらなきゃね。

つづく