研修のあぜ道(14)試験官の緊急停止

前回は、ハンドアウトシートのことを取り上げました。
今回もそんな関連の思い出話です。

とある企業さんでの階層別研修の会場での一コマ。
その会場の運営事務局さんは、教育に熱心な方。
当方の進行を食い入るように観察しながら、チェック、チェック。

社内講師もされているのでしょうか。
「自分だったらこうする」のご指摘の数々。
(そこまで言うなら、自分でおやりになればをぐっと堪え)

極めつけは、演習の説明シートを配った時に、
「それはあとからのほうがいいです!」と発砲されました。
シートは急遽、回収。

その場に漂う違和感を振り払うことのたいへんなこと。
その時は、「すいません。間違いました。これはあとでお配りします」と、
どっぷりと、私が泥をかぶりました。

会場で、その会社の教育部門の方と争うわけにはいきません。

そのシートをあとで渡すと、受講者の方の理解は追いつかないとの講師の
判断はどうもお気に召さなかったようです。

もっとも、事前の打合せでも、どのシートをどのタイミングで配るなんて
ことを確認することはまずありません。
そこは、プロにお任せいただくのが普通です。

いろいろありましたが、結果としては、その研修は評価をいただき、
「次回もよろしくね」となりました。

シートの配布タイミングで、見せ場をつくってあげれたのがよかったのでしょうか。
それにしても、鬼の形相で、教壇まで走り寄って来たあの時は、
「何が起こったのか!?」と凍りつきました。

本当にご自分の意見をしっかりとお持ちの教育熱心な方でした。

その方は、その後、社内の別の部署に異動となられました。
今もお元気でいるだろうかと、ふと思い出します。