先日、受講者数5名未満という研修を実施して来ました。
1回の受講者数100名でも実施することもあるカドワキですが、
今回は超アットホーム。
実は数か月前に1回実施していて、今回は実践結果を踏まえてのフォロー。
1人、1面ずつホワイトボードを使って実践結果を発表してもらいながら、
フォローと&実践アドバイス&さらなるインプット。
受講者の方々は息を抜く間もなく、たいへんだったと思います。
(講師は研修アンケートでそれを知るのですが)
同じ会社の同じ階層(立場)の受講者の方々の研修に対しての満足度が
大きく変わることがあります。
研修プログラム、教材、日程、もちろん、講師の教え方もその要素の一つ。
不満足要因のビッグ3に必ず入るのが、
「こんなこと学んでも役に立たない」というもの。
いわゆる「勉強にはなりましたが・・・」というやつ。
これはつらいです。研修をやったことが無駄遣いになりかねない。
なんでそうなるのか。要因は上記以外にもあるでしょうが、私は、ひとつ注目
しているものがあります。
それは、学んだことを自分の現場で使えるように加工できる力。
「あっ、そうか。うちの現場では、こうこう・・・こうしてこうやればいいのか」
こういう理解ができる力です。
「学んだことを自職場で使えるように置き換えられる力」とも言えます。
これができると、「役に立つ」研修になり、
できないと、「訳分からねぇ」研修になってしまうのです。
ちなみに、このことは、専門用語で、「研修転移(Transfer of training)」とも
言うそうです。
とかなんとか言いながらも、現場の講師は、目の前の初めて会う受講者の方々の様子を
観ながら、分かってもらえるように、必死に、手を尽くすのです。
この置き換えが苦手な方に対する講師の技は、「分かり易い例え(事例)」を、まじえ
ながらの説明力となります。
その場で、目の前の受講者の方々が分かるような材料で話をできなければなりません。
講師は「話の引き出し」をたくさん持てと言われる所以です。
先日の会場は、まさに置き換えのオンパレード。
受講者の方々に、自部門、自職場のどこのどの部分をどのように今後していくべきかを
明日から動けるレベルで、学んでもらえたと思います。
ガイド役の私も、お帰りの時の表情、様子に、痒いところに存分に、手を届けることが
できた感があり、嬉しさでいっぱいでした。
ただし、この方式は、何が飛び出るのか分からない状態を相手に、即興の連続技となり
ます。そして、講師にとって何より怖いこと。
自分の力量が丸裸のガラス張りにさせられてしまうのです。ドキドキ・・・。
私も今までの経験の総動員となりました。実は、汗、びっしょりでした。。。
ようやく涼しくなって来て、秋到来。
研修の実施し易いシーズンです。
会社、団体様によっては、大人数で実施しないといけない事情もあります。
どんな状況でも、来てくださった受講者の方々に少しでも「現場で使えるお土産」を
持って帰ってもらうために、
私の「置き換えさせる力」の修練は絶え間なく続いていくのであります。
講師カドワキの著作紹介
『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(さくら舎)