待ってくださるお客様の有難さ【研修講師の日常雑感】

研修を終えて、「次回もお願いします」と言われること。
これは研修講師の最大の勲章です。
業界的には「リピート案件」と呼ばれるもの。

「継続は力なり」と昔から申します。
リピートを続けていくのは、講師の不断の努力が必要なのは言うまでもありません。

「あのセンセー、昔はよかったのにね」
「なんか、事例が古臭いよね」
「いまだに、あんなのか」

こう言われだすと、研修自体は継続でも、講師交代の要請となります。
それは致し方ないことです。

僕の一回りぐらい上の先輩世代は、内容が悪くなくても、ITを使えなくて、居場所を
なくした方もいました。

パワーポイント全盛の時代に、白板に書きまくり、マシンガントークの連発では、受講
者がついて来れなくなってしまったのです。
かと言って、パワーポイントの技巧に走り過ぎて、肝心の学習が充分できないのも困り
ます。

インストラクションの技術も問われます。「どうだ。教えてやってるぜ!」の一方通行型
講義は一発レッドカードです。今は、双方向。しかも活性化を伴ってが必須です。

発表のあとの当意即妙、受講者の心に響くコメント発信も必要です。
他にもいろいろありますね・・・
(う~ん、書いていて、汗がにじんできます・苦笑)

さてさて、こんな講師側の事情もありながら、もう一つの関門があります。
それは、日程のマッチング。

お客様のご要望の日程に対応できるかどうか。
現実には、対応できない場合が出て来ます。

「それなら、別の方(講師)はいませんか?」
講師側からはこうされても致し方ないところです。

ところが、待ってくれるお客様がおられます。
別の日程でもいいからと調整に応じてくださいます。

僕はこんな有難いことはないといつも感謝でいっぱいです。
別な言い方をしますと、これを当たり前と思った瞬間、終わりだと思います。

「仕方ないだろ。こっちは忙しいんだから。日程が合うんだったら行ってやるよ」
こんな言い方をする講師はそうはいないでしょうが、こういう心持ちになっている
時点でヤバい。

人間、活躍できるのはその「舞台」があってこそです。
「舞台」は勝手につくられない。
つくってくれる方がいるからこそです。

お客様というのには、研修を実施する団体様だけではなく、教育団体の営業担当の
方々も含みます。

最初のご要望日程と私の都合が合わない時、

「この案件は(講師は)カドワキさんじゃなきゃ、お断りしようかと思っています」
こう言ってくださる方がいます。

そして、必死の調整交渉をしてくださる。
ホントに有難いことです。

「あっ、そうですか。分かりました~」となる場合もあります。事情がありますから、
それはそれで致し方ありません。案件対応優先に私も異存はありません。

でも、事情が厳しい中であっても、自分のために踏ん張ってくれる方がいる。
このお客様には講師はカドワキがいいと信じてくれる人がいる。

「あなたでもいい」と「あなただからこそ」は大違い。

まさに、人生、意気に感ず! 
ご期待に応えられるように日々、研鑽です。

すみません。講師カドワキの日程に関するお返事が遅いときは、こんなことを思案
していることもあるという話でした・・・

☆カドワキの書籍紹介

『会社を辞めたいと思ったとき読む本』(さくら舎)