登壇する前の苦労【研修講師の日常風景】

先週前半に山陰の視察から戻って、ゆっくりと過ごさせてもらっています・・・。
と、言いたいところですが、その後の私、お盆もなんのその、パソコンと机に
へばりつきの蒲鉾状態であります。

さて、何をしているのか。
お盆明け、そして、秋からの研修の準備です。

出張のないこの期間がチャンスなのです。

お打合せで決定したプログラムを実際に進めるための教材の選定からはじまり、
各種関係資料からのテキストの編集を考えるのも研修講師の仕事です。

研修会場で配布するハンドアウトシートの選定を間違うだけでも、研修の質は
変わりますので、登壇前のこの状態から研修講師はガチの真剣勝負であります。

うかがっている(まだ見ぬ)受講者の方々の様子を想像しながら、どのように
研修を進めていくか(=レッスンプラン)をつくっていくのも大きな仕事です。

イメージを幾つも思い浮かべながら、バーチャル空間の中で研修を進行させて
いきます。

教材の選定とレッスンプランは当然、連動しています。
考えないといけないことがいっぱいあります。ヘロヘロになります。

頭の中で、時には、事務所の中で、一人立ち上がり、実際のインストラクション
をしながら、リハーサルにも余念がありません。

時間はかかりますが、ここで手を抜くと、あとで地獄を見ます。
一人地獄を見るのならいいのですが、受講者の方々に質の悪い研修を提供して
しまうことになります。それはいけません。

「来て良かった!」にならない研修になってしまいます。

ちなみに、研修プログラムがまったく無い場合は、そこからを考えなければ
なりません。(ほとんどの案件がこのパターンです)

これは、無から有を生み出す。形の無いものを形にしていく仕事です。これが
なかなかたいへんな仕事です。

研修講師の報酬(講師料)は、登壇1日いくらで語れられることが多いのですが、
実際には、登壇前にこのような工数を費やしていることは余り知られておりません。

言い換えれば、登壇前の準備にあまり時間をかけていないで、良い研修を提供
できているのは、よっぽどの天才かということになります。

ハッキリ言っておきますと、そんな人はいません。

良い研修を提供している講師は必ず準備をちゃんとしています。
そのための時間を睡眠時間を削ってでも取っています。

登壇していなくても、実は、登壇しているというお話でした。
どこの世界も事前の準備、段どりが大切ですね。

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